石崎ヒサもかつて同会社において稼業中他の職工を勧誘して逃走した等の経験をもつものであること・・・
また元来両名は怠惰で稼業を嫌い、欠勤がちであること。
かれらは半ヶ月に得た賃銭は3、40銭に過ぎず、ギンのごときはしばしば解雇を迫ったが、会社は契約に違反していないので解雇はできがたく、拒絶すると2人で図って本月9日午後12時食事後会社を脱出したものであること。
さらに目下会社寄宿舎には職工の寄宿者349人で、内病者2名、妊娠7ヶ月の者2名です。
病者は会社の病室で嘱託医に治療させるなど懇切な取り扱いをしており、妊娠者は親属に引取方をかけ合い、引取人のない場合は会社で出産させる準備をしています。
かの女らに対しては稼業は昼間のみ使役するなど相当の保護の方法をとって部り、苦役に就かせている状況はありません。
もっとも、一般寄宿工女の外出は制限をつけており、自由に外出させず新入者または逃走もしくは誘拐のおそれのある者には古参者をつけ・・・
あるいは職工取り締りと称する者が暗に尾行して誘拐や逃走を防いでいる状態ですが、通信を妨げたりまたは面接者を拒むなどの状況はない。
また、会社は一般に職工を虐待したことは認めがたいが、会社が職工取り締りまたは監督と称している雇用者は、多くは教育もなく言語も粗末であるので、時には粗暴な言語を弄しまたは殴打する等、苛酷な取り扱いをすることもある。
そして、最後に郡山警察署の巡査が同会社の社員と通じていると称する記事は、謳妄で、そのような事実はないと述べています。
警察は保護については常に相当な取り締りをしており、偏頗ないようにしている、と回答しているのです。
・・・ここでも工女たちの言い分と警察の回答は全く食い違っており、警察はあたかも工女たちの怠惰が逃亡の原因であるかのような見解を示しているのです。