情報システムのパラダイム転換 10
また、CRSや流通業界のように、先行者に追いつけ追い越せとばかり、次から次へとSIS投資に躍起になっている業界もあります。
一度先行したからと言って、永遠に安泰ということはありえません。
トーヨーサッシ以外のサッシ・メーカーが翌日配送を実現したら、その部分での競争優位はなくなってしまうのです。
しかし、SIS進展度が高いとは限らない業界も、いつサッシ業界のようにならないとも限りません。
コンピュータ・システムが競争力を左右する局面はいくらでもあるのです。
消費者ニーズが多様化して製品のライフ・サイクルが短くなっている状況に対応するには、売れる物を早く市場に供給しなければならないでしょう。
そのために、メーカーの場合なら、企画した製品を迅速に開発するCADを活用し、進んだところならスーパーコンピュータを使ってシミュレーションまで行います。
発売してからは、受発注システムをベースに在庫管理を最適化。
さらにCIMによって工場の製造リードタイムを縮小させ、在庫回転率も高めながら、市場に適宜製品を供給するのです。
また、受発注データの分析によって、次の商品開発につなげます。
こういった情報システムのあり方が、いわば"基本型"であって、どんなメーカーでも構築せざるをえないのです。
これだけでシェアが大きく揺れることはないにしても、単なる省力化ではなく競争力が左右されるという意味で、一種のSISに他ならないでしょう。