悲しい工女たち 3
しかしオギンはさる良家に下女奉公をしていましたが、口入業の松川修太郎及び松本某にごまかされて同紡績会社に来たので全く仕事に慣れず、寄宿舎にぶち込まれていました。
はがきを買いにさえ出られず、10銭の日給の7銭を飯代に取られていました。
仕事といえば金輪際働かなければならず、ちょっとしたことでも叱りとばされ、ぐずぐずしていれば鉄拳のお見舞いを受けなければならないという有様でした。
しかも以前から居る人の話を聞けば、まだこれしきのことどころか見せしめのために殺さんばかりの目にあわされた者もあるといいます。
幾度も解雇を願い出たが聞き入れられず、それのみかますます取り締りを厳重にしたのです。
ついに意を決して一昨夜12時、皆が食堂に入った間に雪隠の横の垣を越え、はだしのまま逃げました。
またこの2人のいうところによると、女工の中には妊娠して働くことが不自由なのに、苛酷な取り締りをしてなお過分な労働をさせているので当人は、死んだほうがましだといっているといいます。